プラチナデータ

プラチナデータ 東野圭吾主演・嵐の二宮さんで来年映画が放映されると話題のプラチナデータを読んでみた。 最近内容が薄いように感じ敬遠していた東野さんだけれど、今回は興味が先行し買うことに。あらすじとしては、この本は間違いなく東野さんの作品だ。 …

七年目の脅迫状 岡嶋二人

競馬界を舞台に

夜明けの街で

夜明けの街で 東野圭吾 不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。 こんな文から始まるこの本は、不倫をテーマにした本だ。 さらにその主人公、渡部の不倫の相手秋葉(あきは)は15年前のある事件を背負っていた。時効が迫るその事件は、彼女の心に見えない傷跡…

三月は深き紅の淵を

三月は深き紅の淵を 恩田陸この本は4章仕立てで、それぞれが独立した物語を紡ぎだしている。しかし、共通点があり、「三月は深き紅の淵を」という幻の本を巡る話だ。 その「三月は深き紅の淵を」という幻の本は、それぞれの章で作者も違う設定になっている…

黒と茶の幻想

黒と茶の幻想 恩田陸「美しい謎」という言葉に惹かれて購入。 もう10年前のことになるが。当時から謎に惹かれてミステリー小説を購入していたので、この帯だけで迷わず購入した。 内容は、中年の男女4人が旅を通じて自分たちのまわりに存在する謎を安楽椅…

故郷は、、、

故郷は遠きにありて思うもの。今日ふと思い出したのがこの言葉だ。この言葉の真意を学んだのは中学生の頃だった。 学んだときはショックを受けた。 自分で想像していたものと大きく違ったからだ。何せ中学生の頃の話だから、うろ覚えで申し訳ないけど、簡略…

3月4日、成田空港を出発した。

新しい生活が始まるのを不安に思っていたあのとき。 未来の駒を一つ進め、選択し、これからの選択肢をまた一つ狭めたと感じて少し後悔もしていたのに。次の週に起こった地震。 それを知ったのは、こちらの時間で朝の8時過ぎだった。はじめは、家族の安否確…

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 スティーグ・ラーソン 【あらすじ】 ヨーロッパで脅威の人気を誇る、あのミレニアムシリーズ(全3・著者の死によりシリーズは3でストップ)の始まりが描かれている作品。 月刊誌ミレニアムの発行責任者であり、共同運…

ちょっと探偵してみませんか

結末の前に、読者に犯人を考えてください、と呼びかける25の短編集だ。 短編だと言って侮っちゃいけない。 岡嶋二人さんの書かれる文章はもちろんテンポよく、トリックだってちゃちなもんじゃない。 もちろん短編向きなトリックも入ってたけど、文章力のあ…

チョコレートコスモス

俳優、作家、プロデューサー、お芝居に携る人たちの話。いろいろな人物が一つの舞台作品に向かって収束していく。その作品とは、大御所のプロデューサーが新しい劇場の杮落としに舞台やるというのだ。 それを作り上げるメンバーを探している、という話。 一…

クレオパトラの夢

あらすじ寒さが嫌いな神原恵弥(かんばらめぐみ・男)は、 家族の要望により、双子の妹を連れ戻すべく北国の極寒の地へと降り立った。恵弥は、世界を股にかける製薬会社の研究員だ。 40歳になるにもかかわらず、各国を転々とし、同世代よりもかなり多い収入…

愛を捨てたシーク

愛を捨てたシーク テレサ・サウスウィック 岡本慶子 あらすじ母親しか見分けがつかない双子の姉妹アディーナとアリーナ。 2分早く生まれたアディーナはバーハール国の皇太子の許婚にされ、王妃になるべく、さまざまな教育を受けて育った。 一方アリーナは、…

ダリの繭

ダリの繭 サルバドール・ダリに心酔した宝石チェーン店の社長・堂条秀一が六甲山の別荘で殺される。 トレードマークのダリの髭を剃られ、フローとカプセルの中で裸で発見された。この事件におなじみのアリスと火村助教授のコンビが挑む。 キーワードは、秘書…

七日間の身代金

七日間の身代金 冒頭は、誘拐の身代金要求ビデオから始まる。 資産家の鳥羽国彦(27才)とその継母の弟、武中和巳(25才)が、誘拐された。 身代金は2千万円。 鳥羽の継母である鳥羽須磨子(33才)は、その身代金受渡しのため、犯人の指示する場所へと向かう。しか…

アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカーこのお話は「現在」「二年前」の二つの物語が平行して進んでいきます。 「現在」には大学入学のために引っ越してきた男の子が、アパートのちょっと風変わりな隣人と出会い、「一緒に本屋を襲って、広辞苑を奪おう」と誘われる。 …

死神の精度

死神の精度もうすぐ死ぬ人間の資格調査のため、死神が人間界にやってくる。 主人公はその死神、そしてこの物語は死神千葉の6編の短編集だ。音楽好きで、名前が地名で、ちょっと変わった感覚の持ち主の死神が、1週間の調査の後に対象者の生死を判断する。 …

パワー・オフ

パワー・オフ 井上夢人 コンピューター内で生きるウィルスの脅威。人工生命体。 われわれ人間と同じように、遺伝子を持ち、子供を作り、自然淘汰されより進化していくプログラム。 電子の中で増殖し生きているそのプログラムの中に、コンピューターウィルス…

メドゥサ、鏡をごらん

メドゥサ、鏡をごらん 井上夢人 ホラーだった。 セメント漬けになって自殺した作家・藤井陽造の怪死について。 その娘の婚約者からの視点で話は綴られている…が、ある数十年前の悲劇が呼ぶ怖い物語。完結していない、ともとれる怖さが残る作品。ホラーが苦手…

壁抜け男の謎

壁抜け男の謎 有栖川有栖 16篇の短編集。 今まで、作者と同名の作家が出てくるシリーズくらいしか読んだことがなかったせいか、この本は新鮮だった。 良い意味でも悪い意味でもねっとりとした物語が多いように感じた。 特に最後の「恋人」では、作者名を確…

長い長い殺人

長い長い殺人 宮部みゆき財布が語る殺人事件とその模様。タイトルは、刑事の財布 強請屋の財布 少年の財布 探偵の財布 目撃者の財布 死者の財布 旧友の財布 証人の財布 部下の財布 犯人の財布 エピローグ 再び、刑事の財布 10個の財布による11編の物語。 す…

砂漠

砂漠 伊坂幸太郎新年明けて初めて読む作品だった。 内容を知らずして買ったのに、「前進する力」を感じる新年に相応しい門出の作品を読んでしまった。仙台の国立大学に通う学生5人の話。 伊坂さんは東北大学だったから、当時を思い出しての執筆だったんじゃ…

終末のフール

終末のフール 伊坂幸太郎8篇の物語。 登場人物は、仙台にあるヒルズダウンというマンションの住人たち。 そして世界は終末。 小惑星が地球に衝突し、世界は終わるカウントダウンが始まり混乱。 その混乱が多少収まってきているときの話たち。1つ1つが短編…

チルドレン

チルドレン 伊坂幸太郎5つの短編集だけど、繋がっている。 何シリーズかは知らないけど、名づけるならば陣内シリーズとでも言うのだろうか。陣内の性格は枠外というか、本当に迷惑なものだ。 でも、それだからこそ真理をついているのかもしれない。 非行少…

プラスティック

プラスティック 井上夢人新婚の向井洵子の不可思議なフロッピーディスクより始まる物語。 夫の出張帰りを待ちわびる新妻にひたひた迫る恐怖。 誰かのレビューでは途中で結末が見えてきたと書いている人がいたけど、私には衝撃の事実だった。伏線は確かにあっ…

もつれっぱなし

もつれっぱなし 井上夢人男女の会話のみで綴られる、もつれにもつれるちょっと変わった短編集。 別に男女のもつれ話を集めたものではない。 ちょっと変わった話が集められている。宇宙人の証明 四十四年後の証明 呪いの証明 狼男の証明 幽霊の証明 嘘の証明…

ブラザー・サンシスター・ムーン

ブラザー・サンシスター・ムーン 恩田陸3部から成る本である。1部 あいつと私 2部 青い花 3部 陽のあたる場所読み始めたときは、「恩田さんのエッセイか!?」と勘違いしてしまった。 W大ということも3部目の中で明かされ、文学部は作家を目指す人が多…

ダレカガナカニイル

ダレカガナカニイル 井上夢人岡嶋二人の解散後初のソロデビュー作品。 殺人、SF、宗教団体、恋愛、とすべてのジャンルに当てはまるが、そのどれもが上手く一つの世界にまとまっている作品。 警備会社で勤めている主人公は、暇つぶしにお客の家を盗聴し、そ…

エンド・ゲーム 常野物語

エンド・ゲーム 常野物語 恩田陸同作者の「光の帝国」が好きだったから、常野物語のシリーズを読みたいと思ってこの本を手に取りました。この本は明るい本ではありませんでした。 全体的に暗く、どんよりとした空気に包まれ、「光の帝国」のようなものを期待…

オルファクトグラム

オルファクトグラム 井上夢人数年間ずっと読んでみたかった本を昨日やっと読むことができた。 この本は有名すぎて「面白い」という前評判ばかりが耳に入り、自分の中で敬遠していた作品だった。期待していたものと違う、という落胆を味わいたくなかったから…

ラ・ロンド 恋愛小説

ラ・ロンド 恋愛小説 服部まゆみこの本は3つの物語から成る。 父のお気に入り 猫の宇宙 夜の歩み この3つの物語は繋がっている。 はじめは短編集かと思ったが、「夜の歩み」を読んで繋がっていることが分かった。人生だってそんなものかもしれない。変なと…