七日間の身代金

七日間の身代金

冒頭は、誘拐の身代金要求ビデオから始まる。
資産家の鳥羽国彦(27才)とその継母の弟、武中和巳(25才)が、誘拐された。
身代金は2千万円。
鳥羽の継母である鳥羽須磨子(33才)は、その身代金受渡しのため、犯人の指示する場所へと向かう。しかし、ある島で殺されてしまう。


警官たちがその島の周りを空、道、海の3つから警備していたにもかかわらず、犯人を見つけることができなかった。
そして鳥羽須磨子の持っていった2千万円も犯人とともに見つけることができなかった。
その島は、誘拐された鳥羽国彦が所有している島で、まわりはぐるっと海に囲まれ、本島と島をつなぐのは道一本のみである。
一体どうやって犯人は逃走したのか。

この誘拐事件に、近石千秋と槻代要之助のバンドコンビが関わり、調査をする。
千秋は警察署長の娘で、要之助は千秋の友達以上、恋人未満のあいまいな関係。

この本は誘拐事件のみで終わらない。
始まりは誘拐だが、事件の全貌は変化球の嵐だ。

鳥羽家の異常な人間関係に、異様な性格の登場人物。
千秋と要之助の若くて健康的な思考回路が、この物語の支柱となっているからこそ、異常さが際立つ。

読み終わってみれば、単純な構造の事件だけど、読んでいる最中はこの物語はいったいどう収束していくのか分からないまま、さまざまな推理が飛び交う。


可能な範囲でネタばらしをすると、、、



*誘拐事件に身をかくした殺人事件。

これは、この本の真相のほんの入り口です。
真相は読んだ人だけが分かります。