故郷は、、、

故郷は遠きにありて思うもの。

今日ふと思い出したのがこの言葉だ。

この言葉の真意を学んだのは中学生の頃だった。
学んだときはショックを受けた。
自分で想像していたものと大きく違ったからだ。

何せ中学生の頃の話だから、うろ覚えで申し訳ないけど、簡略して言うとこんな話だ。

これを謡った人は、遠く離れたところから故郷のことをずっと考えていた。
あそこへ帰りたい、と。
しかし、実際故郷に戻ってきてから受ける故郷の冷たい仕打ちに、彼は打ちひしがれる。
ああ、故郷は遠くで思う方がいい。
実際に故郷に戻ってもいいことなんかなかった、という思いだったそうだ。


前置きが長くなったけど、今日飛行機のチケットをキャンセルした。
もともとこちらに残るつもりで来たため、帰りのチケットはキャンセルする予定だった。
でも、私の中で地震があったため日本に帰りたい気持ちが高まっていて、キャンセルすることを少しだけ躊躇していた。
もちろん、こちらですることは山積みで、帰れるわけもないのだけど。

下らないことで、少し落ち込んでいた今日。
家族や友人のもとへ帰りたい気持ちがある。
孤独を感じて、誰かと自国の言葉で話したい。
不自然な、流暢でない日本語でもなく、意味の分からない外国語でもなく。



でも、


現実には戻れない。




そう、私はここでこれからしなくてはならないことがあるから。
少し重荷に感じる、責任があるから。

帰れない。
帰りたいけど、帰れない。

そして、今日本に帰ったところで、私にできることは何もない。
帰っても現状が好転するわけでもない。
故郷は遠きにありて思うもの。

私は今その通りの現実を見ている。
離れているからこそ、考え、思うんだろう。
そして、帰っても良いことなんてないと思い込むしか私には術がない。

こちらで募金をするくらいしか、私にはできなかった。

家族の顔が、胸をよぎる。
会いたい。