恩田陸

三月は深き紅の淵を

三月は深き紅の淵を 恩田陸この本は4章仕立てで、それぞれが独立した物語を紡ぎだしている。しかし、共通点があり、「三月は深き紅の淵を」という幻の本を巡る話だ。 その「三月は深き紅の淵を」という幻の本は、それぞれの章で作者も違う設定になっている…

黒と茶の幻想

黒と茶の幻想 恩田陸「美しい謎」という言葉に惹かれて購入。 もう10年前のことになるが。当時から謎に惹かれてミステリー小説を購入していたので、この帯だけで迷わず購入した。 内容は、中年の男女4人が旅を通じて自分たちのまわりに存在する謎を安楽椅…

チョコレートコスモス

俳優、作家、プロデューサー、お芝居に携る人たちの話。いろいろな人物が一つの舞台作品に向かって収束していく。その作品とは、大御所のプロデューサーが新しい劇場の杮落としに舞台やるというのだ。 それを作り上げるメンバーを探している、という話。 一…

クレオパトラの夢

あらすじ寒さが嫌いな神原恵弥(かんばらめぐみ・男)は、 家族の要望により、双子の妹を連れ戻すべく北国の極寒の地へと降り立った。恵弥は、世界を股にかける製薬会社の研究員だ。 40歳になるにもかかわらず、各国を転々とし、同世代よりもかなり多い収入…

ブラザー・サンシスター・ムーン

ブラザー・サンシスター・ムーン 恩田陸3部から成る本である。1部 あいつと私 2部 青い花 3部 陽のあたる場所読み始めたときは、「恩田さんのエッセイか!?」と勘違いしてしまった。 W大ということも3部目の中で明かされ、文学部は作家を目指す人が多…

エンド・ゲーム 常野物語

エンド・ゲーム 常野物語 恩田陸同作者の「光の帝国」が好きだったから、常野物語のシリーズを読みたいと思ってこの本を手に取りました。この本は明るい本ではありませんでした。 全体的に暗く、どんよりとした空気に包まれ、「光の帝国」のようなものを期待…

光の帝国

光の帝国 常野物語 恩田陸不思議な力を持つ常野からやってきた人たち。 彼らが求めるものは平穏な暮らしなんだろう。力を俗悪なことに使うことはない。なんのためにその力があるのか。 彼らの少し哀しくて、美しい物語。 読んだ後、優しい気持になれる。

ドミノ

ドミノ 恩田陸すべてのピースはまったく繋がりを感じさせない。そのばらばらのストーリーが最終章に向かって一つに収束する。 題名の通り、バタバタバタ、とドミノが倒れるかのように。それぞれの物語も気になる物語で、続きが気になるけれど、サッと違う物…

六番目の小夜子

六番目の小夜子 恩田陸恩田陸先生のデビュー作。 そして、私が初めて読んだ恩田陸作品でもある。活字中毒気味の友人の薦めで、この本を読んだ時の印象は「ホラー小説」だった。 だけど、つい最近読み直してみて、ホラー小説という印象に少し変化が加わった。…

ロミオとロミオは永遠に

ロミオとロミオは永遠に 恩田陸この題名にぎょっとする人もいるかもしれない。 この題名と内容に関係はない、と言える。恩田陸さん自身もぱっと思いついた言葉を題名にした、と言われてたし。 内容は、地球はもう汚染され人間が住むことが難しい環境。 大多…

ネバーランド

ネバーランド 恩田陸 作者は、この作品を「トーマの心臓」のような作品にしたいと思って書き始めたそうだ。確かに物語の始めはそんな雰囲気があった。しかし、その雰囲気が変わるとき、この物語は面白くなっていく。 伝統ある男子校で寮生活をおくる4人の少…

ねじの回転February moment

ねじの回転 恩田陸1936年2月26日を再生する4日間。内容(「BOOK」データベースより) 「不一致。再生を中断せよ。」近未来の国連によって、もう一度歴史をなぞることになった2.26事件の首謀者たち。彼らは国連の意図に反して、かつての昭和維新を成功させよ…

夜のピクニック

夜のピクニック 恩田陸 吉川英治文学新人賞と本屋大賞受賞作。 作者の母校に本当にあった恒例行事、「歩行祭」がこの本の舞台。朝の八時から数時間の仮眠を挟んで翌朝の八時までただただ歩くこの行事で、高校生活に散りばめられた小さな謎を話したり、過去の…

上と外

上と外 恩田陸(1〜6巻または上下巻)この本は隔月連続刊行で1巻から始まり、5巻で完結する予定だった。 そして、その5巻完結という予定は嬉しい誤算により変更され、6巻まで続いた。 好きな本は即日完結まで読み終わりたい私としては隔月刊行は本当にじ…