エンド・ゲーム 常野物語

エンド・ゲーム 常野物語  恩田陸

同作者の「光の帝国」が好きだったから、常野物語のシリーズを読みたいと思ってこの本を手に取りました。

この本は明るい本ではありませんでした。
全体的に暗く、どんよりとした空気に包まれ、「光の帝国」のようなものを期待していた私には、どちらかというと、「月の裏側」を読んだ時と同じ気持になりました。赤く暗い表紙カバーを見たときにそれに気づくことができれば良かったのですが、あいにく読み進めていくうちに気づきました。
不思議な力を持つ一族の話、第3作品目。
父は小さいときに「裏返さ」れてしまった。母と二人で「裏返え」される前に「裏返え」す。一族内での婚姻は禁忌だったが、その禁忌を侵して結婚した両親の子供は強い力を持って生まれた。突然いなくなった父を待っていたら、今度は母が研修先で目覚めなくなってしまい病院へ。途方にくれた娘は、昔から家の冷蔵庫に張ってあった電話してはいけない電話番号に電話をしてしまう。
今作品はどんよりとした、あまりすっきりしない話でした。暗くて人の裏側を見ても嫌じゃない人なら読めると思います。