2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

スウェーデン館の謎

スウェーデン館の謎 有栖川有栖舞台は磐梯山近くの美しい自然に囲まれた館。五色沼と呼ばれる美しい色の沼の描写も幻想的だ。 お隣のペンションに取材に来た有栖川先生の物語。 トリックも凝っているが、登場人物がそれぞれ魅力的だ。バイカル海豹に似た童話…

14才の母

14才の母 主演:志田未来14才で子供を生む。 中学2年生で子供を生む。 私にとったら異次元のような世界だと思った。でも、実際に日本で10代で妊娠する人が昔よりも増えているらしい。私からしたら19歳で妊娠と聞いても驚くのに、まさかまさかの14歳。しかも…

ロシア紅茶の謎

ロシア紅茶の謎 有栖川有栖国名シリーズ第一作目「ロシア紅茶の謎」を含む作品集。収録作品 ・動物園の暗号 ・屋根裏の散歩者 ・赤い稲妻 ・ルーンの導き ・ロシア紅茶の謎 ・八角形の罠 【動物園の暗号】 この暗号は難しい。 解けた人は○○の知識が相当豊富…

六番目の小夜子

六番目の小夜子 恩田陸恩田陸先生のデビュー作。 そして、私が初めて読んだ恩田陸作品でもある。活字中毒気味の友人の薦めで、この本を読んだ時の印象は「ホラー小説」だった。 だけど、つい最近読み直してみて、ホラー小説という印象に少し変化が加わった。…

ロミオとロミオは永遠に

ロミオとロミオは永遠に 恩田陸この題名にぎょっとする人もいるかもしれない。 この題名と内容に関係はない、と言える。恩田陸さん自身もぱっと思いついた言葉を題名にした、と言われてたし。 内容は、地球はもう汚染され人間が住むことが難しい環境。 大多…

チョコレートゲーム

チョコレートゲーム 岡嶋二人 第39回日本推理作家協会賞受賞作。 中学校の中で起こる、殺人事件。 そのトリックと動機を、息子を殺された父が孤独に調べまわる。 チョコレートゲームとは一体何なのか? これがこの物語が追う謎。 正直、こんな中学生嫌だな。…

天国で君に逢えたら

天国で君に逢えたら 主演 二宮和也 カウンセラーの手紙屋さん。 人は皆、避けることのできない死に必ず直面する時が来る。 その時が来ない人間はいない。 だって生き物なんだから。中には少し早くその死が来る人もいる。 その人たちには、まだやりたいことや…

魔王

魔王 主演 大野智・生田斗真本格ミステリーのドラマ。弟と母が死んで、大切にしたいものすべてを失って、それでもまだ生きていかなくてはいけない。11年前の真実を暴くためにずっと生きてきた男。 そして、11年前の真実をずっと胸におき苦しんできた男。 こ…

ネバーランド

ネバーランド 恩田陸 作者は、この作品を「トーマの心臓」のような作品にしたいと思って書き始めたそうだ。確かに物語の始めはそんな雰囲気があった。しかし、その雰囲気が変わるとき、この物語は面白くなっていく。 伝統ある男子校で寮生活をおくる4人の少…

変身

変身 東野圭吾 脳移植を受け、奇跡的に助かった主人公の日常が侵食されていく。 自分が変わっていく様に慄きつつ、どうすることもできない恐怖。誰の脳を移植されたのか?かつての脳の持主が持つ異常な性格が、彼を蝕む。 こんなストーリーを読んだら、内容…

リンゴケーキ生クリーム添え

家族に、「掃除手伝うか甘いもの作るかどっちかやって」 と言われ作ったのが リンゴケーキに生クリームを添えたもの。ケーキ一台を30分で完食。 美味しかった。

ねじの回転February moment

ねじの回転 恩田陸1936年2月26日を再生する4日間。内容(「BOOK」データベースより) 「不一致。再生を中断せよ。」近未来の国連によって、もう一度歴史をなぞることになった2.26事件の首謀者たち。彼らは国連の意図に反して、かつての昭和維新を成功させよ…

左脳の衰え

小説を読むときとマンガを読むときの脳の違い。小説を読むほうがより想像力、妄想力を使う。マンガの方が視覚による情報量が多く、視覚による妄想が少なくてすむからだ。その分脳を使わなくてもいいのだろうと勝手に推測。 最近小説を読むよりもマンガを、し…

山田太郎ものがたり

山田太郎ものがたり 原作:森永あい 脚本:マギーコミックの存在は前から気づいていた。とても目立つ絵だったから。無類の本好きの私が、どうして今まで手に取らなかったのかよく分からないけど、たぶん絵柄が好みじゃなかったんだろう。でも、今回このドラ…

流星の絆(ドラマ)

流星の絆 原作:東野圭吾 脚本:宮藤官九郎 「大人になったら犯人探してさ、3人でぶっ殺そうな」獅子座流星群を見に3人の子供が家を抜け出している間に、洋食屋をしていた両親が殺された。 発見者はもちろん夜中に戻ってきた子供たち。 それから14年経ち…

さまよう刃

さまよう刃 東野圭吾 大切に育てた娘が花火大会の日にいなくなる。浴衣を着たまま。 陵辱された末に殺されたビデオを見たとき、父は復讐に駆り立てられる。そう、このさまよう刃はその父が加害者である少年を探しさまようことを意味している。 最初から衝撃…

夜のピクニック

夜のピクニック 恩田陸 吉川英治文学新人賞と本屋大賞受賞作。 作者の母校に本当にあった恒例行事、「歩行祭」がこの本の舞台。朝の八時から数時間の仮眠を挟んで翌朝の八時までただただ歩くこの行事で、高校生活に散りばめられた小さな謎を話したり、過去の…

魔球

魔球 東野圭吾野球、甲子園、といった言葉から連想できない内容に まず驚かされる。天才須田と呼ばれた彼の真の才能は、 凄まじい精神力と実行力にある。 高校野球の爽やかさは初めの数ページのみで、あとは悲しい事件とその背景を読み解く長い旅にでるよう…

回廊亭殺人事件

回廊亭殺人事件 東野圭吾内容は言えない、叙述トリック。 読者は自分だけが知っているということに、ほくそ笑みながら物語を見ているけど、終盤になればそんなものは何の意味もなかったことを知る。 どんでん返し、考えもしない驚きを味わいたい人は是非読む…

赤い指

赤い指 東野圭吾加賀恭一郎シリーズ。 幼女が殺され、公園にて発見される。平凡な一家の中に育つ狂気がこの殺人の結果。今にも崩れ落ちそうな家庭をみんな気づかないふりをして過ごしてきた結果の末路。幾重にも存在する狂気と焦燥感と情けなさ。 このミック…

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身 東野圭吾言わずとしれた東野氏六度目の正直、直木賞受賞作品。 このトリックは天才の数学者が考え出した完全犯罪。文中に出てきたからつい連想してしまうが、「プリティウーマン」のジュリアロバーツのよう美しい女性(子持ち)のために、すべ…

倒錯のロンド

倒錯のロンド 折原 一いつの間にか仕掛けられていた罠にはまって、 私の脳まで倒錯させられた作品。 叙述トリックならではの面白さがここに詰まっています。

聖女の救済

聖女の救済 東野圭吾天才科学者・湯川教授のシリーズ。 今回は草薙さんの恋。 殺人なのに、救済。 救済し続け、救済するのを止めた時、事件は起きる。 こんなトリックはちょっとやそっとじゃ思いつかない。東野さんは男なのに、女性の気持ちがよく分かってる…

富豪刑事

富豪刑事 筒井康隆 深田恭子が主演しドラマにもなったこの作品。 常識を覆すよう奇想天外な方法で事件を解決していく、富豪刑事こと神部大助の物語です。 個人的に、彼の父親である喜久右衛門の 趣味とも言えるような発作がとても好きだったりします。 筒井…

上と外

上と外 恩田陸(1〜6巻または上下巻)この本は隔月連続刊行で1巻から始まり、5巻で完結する予定だった。 そして、その5巻完結という予定は嬉しい誤算により変更され、6巻まで続いた。 好きな本は即日完結まで読み終わりたい私としては隔月刊行は本当にじ…

冬の旅

冬の旅 立原正秋 ネタバレ有り。 主人公行助の、静かな理論的な言葉に隠れている心の起伏が、わたしにはとても痛かった。彼の強い意志と家族の和解のための謀と輝くばかりの賢さに、とても好感がもてた。 反面、この話を偶然のものではなく必然のもの、文中…

高校生クイズ

今日「高校生クイズ」を見た。 全国有名進学校が集まり、その知識を競った。毎年見ているというわけではなく、ただ入っていたから見始めただけだったのだが、クイズに自分も参加しはじめたら最後までずっと見てしまっていた。 知り合いの数人のラサール出身…

友情

友情 フレッドウルマン 実はこの本は私が浪人しているときに本屋で立ち読みした本だ。 そのときは少しだけ読むつもりが、立ち読みで最後まで勢いよく速読してしまった。 第二次世界大戦前の暗い雰囲気の中、貴族の美少年とユダヤ人医師の息子との友情が急速…

ロング・ラブレター〜漂流教室〜

ロング・ラブレター〜漂流教室〜 楳図 かずお 風見 潤 再放送、最終回をみて わたしはこの物語が好きだ。 とてもキレイな窪塚くんの顔とその異様とも言えるような変な気負いをさっぱり捨て去った演技をみているだけでも、価値がある。 この物語の持つ意味。 …

水の時計

水の時計 初野晴医学的に脳死と診断された少女が月夜にだけ言葉を話す、現代の幸福の王子。 臓器移植をメインに、現代社会に存在する不条理を描き、その凄惨さを幻想的な文章で包み込んでいる。 最初は構成が少し気になったけど、最後にはそんなことどうでも…