もつれっぱなし

もつれっぱなし    井上夢人

男女の会話のみで綴られる、もつれにもつれるちょっと変わった短編集。
別に男女のもつれ話を集めたものではない。
ちょっと変わった話が集められている。

宇宙人の証明
四十四年後の証明
呪いの証明
狼男の証明
幽霊の証明
嘘の証明

この中で好きなのが四十四年後の証明と嘘の証明だ。
前者は、未来の孫からの電話による心温まる話だ。
後者はラストを飾るにはユニークで、若干他の5つとは違うライトな感じが読後感を爽快なものにさせてくれる。(もちろん私の個人的な意見だが)

面白い試みだし、特に新鮮な感じは受けなかったけど、独特ではあると感じた。

引き続き井上夢人ブームは続く予感がする。
時代を超えて、今読んでも面白く感じる本は私の中では珍しい。
10年以上前に書かれているにもかかわらず、新しいと感じることができる作品が多い。
天才だと思う。