さまよう刃

さまよう刃  東野圭吾
大切に育てた娘が花火大会の日にいなくなる。浴衣を着たまま。
陵辱された末に殺されたビデオを見たとき、父は復讐に駆り立てられる。そう、このさまよう刃はその父が加害者である少年を探しさまようことを意味している。
最初から衝撃を受けっぱなしのこの作品。
無知だからこそ残忍な少年犯罪の酷さに、主人公である父でなくても吐き気と憤りを感じること間違いない。そうして復讐者の父に同調(シンクロ)したが最後、もうこの物語にどっぷり入りこんでしまう。
復讐するのかしないのか。
この父親の心理が本当に細かく描写されている。
確か発表当時に問題作として上がっていたと記憶しているけど、確かに読んでみて問題作ではあるなぁと思う。気持ち悪い描写もあるし。
でも名作であることには間違いない。