赤い指

赤い指  東野圭吾

加賀恭一郎シリーズ。
幼女が殺され、公園にて発見される。平凡な一家の中に育つ狂気がこの殺人の結果。今にも崩れ落ちそうな家庭をみんな気づかないふりをして過ごしてきた結果の末路。

幾重にも存在する狂気と焦燥感と情けなさ。
このミックスが本当に怖い。
一つ終わったらまた一つ。そして最後にもデカイ爆弾。
伏線も半端じゃなく繊細に張られている。
率直にこの本を読んだ後、怖いと思った。この家族に潜む問題たちは、実はどこの家庭にでも一つは存在するんじゃないだろうか。身近な怖さ。
それを上手く物語りというオブラートに包み作品に仕上げた東野氏の力量が分かる作品だと思う。