14才の母

14才の母   主演:志田未来

14才で子供を生む。
中学2年生で子供を生む。
私にとったら異次元のような世界だと思った。でも、実際に日本で10代で妊娠する人が昔よりも増えているらしい。私からしたら19歳で妊娠と聞いても驚くのに、まさかまさかの14歳。しかも妊娠は自然にするもんじゃないから、つまりはそういう行為をした、ということだ。

信じられない。
私がそういう行為を初めてしたのが20台半ばごろだった。
若干話はそれるけれど、近年日本の子供たちの平均身長が伸びているとのことだ。そしてそれにつれて、足の長さの平均も昔より伸びており、つまりスタイルが良くなってきているらしい。女の子の初潮も早まっているのかもしれない。
何度も思ったけど、子供が子供を身ごもる一種の倒錯が、時々思考を鈍らせた。
志田未来さんの演技、初めて観たけど素晴らしかった。等身大の、まさに年齢相応の女の子を演じつつも、子供を身ごもるという難しい役を見事に両立させていた。矛盾なく、それをすべて受け入れて演技していた。
私がこの作品のすごいと思う点は、真剣に、ごまかさずに、この妊娠という問題に取り組んでいるということだ。変な横槍をいれず、真剣に。
ドラマとなれば、誰かが死んだり、怪我したり、盛り上げるために安易に物語に緩急つけたりしがちだ。だけど、それをしていないところがすごい。
不良少女と不良少年で安易に妊娠、中絶、一家離散、そして少女は風俗へなんていうような設定ではなく、真面目でいわゆる進学校に行っているような男女が本当に好きになった結果起こった事柄に対して、目を背けず、彼女の立場、彼の立場、それぞれの親の立場、学校の先生たちの立場で、それぞれがそれぞれ真剣に考えている。ごまかしていない。何が最良なのかは分からない。みんな分からないし、知らない。それでも真剣に向き合い、考えている。この物語のすごいところだ。
私に子供はいない。
いないからこそ、すべてに対して客観的立場でこのドラマを見ることができたと思う。噂には聞いていたけど、良い作品だった。