ロシア紅茶の謎
ロシア紅茶の謎 有栖川有栖
国名シリーズ第一作目「ロシア紅茶の謎」を含む作品集。
収録作品
・動物園の暗号
・屋根裏の散歩者
・赤い稲妻
・ルーンの導き
・ロシア紅茶の謎
・八角形の罠
【動物園の暗号】
この暗号は難しい。
解けた人は○○の知識が相当豊富な人だろう。
最後の最後の一文字にぞくっとする。
もっとも危険な動物の名前が「それ」とはね。
あっぱれ。
【屋根裏の散歩者】
同名の江戸川乱歩の作品は既読だったから、この作品の空気の後ろに乱歩の空気を感じ、奥深い気持になれた。
そして、同じ奇癖を利用した上でさらにひねりを加えてあり、それが本等に面白い。奇妙なあだなの由来が、ツボに入りました。
【赤い稲妻】
既婚者が愛人を囲うなんて、しかも6千万のマンションを買うなんて。
分からないでもないけど。
やっちゃいけない事でしょう。
しかも真相が残酷。生きている人をようも…。それでよく愛してただなんて言えるな。
フィクションだし、そんなこと言ってもしょうがないけどね。
【ルーンの導き】
このダイイングメッセージから1つまめ知識が手に入った。
【ロシア紅茶の謎】
愛は憎しみに変わるし、そのためなら無鉄砲にもなれる。
このトリックは愛と度胸がないとできない。
なかなかいいトリックだし、それを命をかけた最後のキスと表現したのも気に入った。
自信を持って、一読の価値有り、とお勧めできます。
【八角形の罠】
これは読者への挑戦とあるのでミステリー好きはかなり楽しめると思う。しっかり平面図も添付されているし。
これは一つの文庫にしてもいいくらいの力作。