変身

変身  東野圭吾
脳移植を受け、奇跡的に助かった主人公の日常が侵食されていく。
自分が変わっていく様に慄きつつ、どうすることもできない恐怖。誰の脳を移植されたのか?かつての脳の持主が持つ異常な性格が、彼を蝕む。
こんなストーリーを読んだら、内容が予想されて読まなくなってしまうところだろう。
私はそうだった。
ずっと東野作品が大好きだったにもかかわらず、読むものがなくなった最後に読んだのがこの作品だった。
驚かされるのは描写。リアルな人間の心理と現代医学。そして人類が脳の神秘に手を出すタブーを書いている。
理系の人間が書く脳移植もの。その心は…「リアルに怖い」。