十字屋敷のピエロ

十字屋敷のピエロ  東野圭吾

ピエロからの視点での描写が新しい。
悲劇のピエロと名づけられ、持ち主が変わるごとに悲劇を生んできた悲劇のピエロが十字屋敷にやってきた。このピエロは考え、事件の詳細を見ていた。
足の不自由な女の子、そのお母さんは自殺。その49日に事件が起きる。お母さんが死んでから社長の座を引き継いだその婿養子の夫。その夫が殺された。秘書も裏口付近で死んでいた。
その後、無意識的または意思的のいくつかの第三者の手によってこんがらがった犯行証拠が真実を複雑に隠す。東野さんの作品の中では、少し異色な雰囲気を感じる。それはやっぱりピエロの視点という新しいことに挑戦しているからだろう。いろいろなことに挑戦するそのスタイルが次の名作を作る。