東野圭吾作品の映画化

氏の多くの作品が映像化されている。ドラマ化であったり映画化であったりと、彼の作品は魅力的でドラマティックで、あっと驚かせる先の読めないストーリーが多いからだ。

今回ビデオ屋に行き、3つの映像化作品を観た。
宿命、秘密、g@me.の3つだ。この中で前2つは小説を読んだが、最後のゲームの名は誘拐は未読だった。

簡単に感想を記しておきたいと思う。

宿命
これは、他の人のレビューにも書かれていたが配役ミスが目に付いた。勇作役には藤木さん、晃彦に柏原さんの方が合っていただろう。そういう点からも「見た目」にだけ走って小説の本題に焦点を当てていないように感じた。キレイどころの俳優さんたちだけしか見所がなかった。


秘密
私はこの作品が東野さんの代表作だと思っている。この作品はもともとコメディにするつもりだったという彼の言葉を見て仰天したし、彼がいう、笑いと感動のツボはすぐ近くにある、という言葉にも衝撃を受けた。彼のストーリーつくりにはいつも驚かされる。
さて、映像化についてだが、一言で言うと、よかった。あまり広末さんが好きではなかったのだけど、演技がすばらしかった。あと、父親役の小林薫さんの演技も本当にうまかった。彼の演技がこの作品を支えている。最後小説と少し違う場面があったが、そこもまた感動した。小説でここまで書かれていると、「秘密」というタイトルが少し薄れてしまうから小説は小説で最高だけど、映画は映画でここまで書くラストが似合っている。


g@me.
カッコイイテンポで進む面白いゲーム。その名も誘拐。未読なだけに先が読めなくて、一つ目の誘拐が終わってからの展開に驚いた。「彼女は一体誰だったんだ?」と。
そして頭脳戦、という言葉が思い浮かんだ。タヌキおやじめ。
実は仲間由紀恵さんのファンだったので、彼女のスタイルのよさにしばしば目を奪われた。ちょっとしたラブシーンにも彼女の演技にドキドキした。キスも濃厚で、ちょっと藤木さんに嫉妬。あんな顔の彼女が見られるなんて、それだけでも価値ある(とか言っちゃいけないけど)。ストーリーがやっぱりいい。東野さん最高。小説は好みの問題だからハズレだと感じる作品もいくつかあったけど、彼ほどの展開を読ませないストーリーテラーはあまり類を見ない。これからも応援していきたい。